アニメビジネスの商習慣について(2)

ついでにハピネットの財務諸表も見つつ、にわかにファンダメンタルな分析をしてみました。
http://www.hap-net.com/ir/ir_data/pdf/0708_zaimu_gyouseki.pdf(やっぱりPDF)
こちらも前渡金が30億ほど計上されていました。


アニメビジネス部門はハピネットピクチャーズが手がけていますが、ハピネットピクチャーズの財務諸表はハピネットの連結決算として見ることができます。
ハピネットは他にもビデオゲームや玩具、アミューズメントなども手がけているので、アニメビジネス以外のものが含まれていることも注意しなければいけません。
余談ですが、ハピネットバンダイナムコホールディングスの子会社。バンダイビジュアルバンダイナムコホールディングスの子会社。
バンダイナムコホールディングスの連結決算報告書には両方が加味されてることになります。


前渡金のビジネスモデルってリスクが高いはずです。
支払う側にはキャッシュフローが悪くなると言うのが典型的です。
財務会計ではキャッシュ(現金)が重要。前渡金で渡してしまうと資本が1年間塩漬けにされてしまい、運用することができません。
運転資金だって必要だし、有事のためにキャッシュは留保しておきたいものです。
運転資金が無くなればたとえ帳簿上は黒字でも黒字倒産になってしまいますから。
ほとんどは親会社が後ろに控えた大企業なのでそういった事態にはなりませんが。


アニメビジネスやるには余分に資本を持っていないとダメということですね。新規参入が難しい分野です。
最近ではJ.C.STAFFSHAFTなどのアニメ制作会社が製作委員会に加入して配当を受けるというモデルをとっていて、このモデルは歓迎すべきものだと思っていたのですが、小規模なところでは前渡金を捻出するのはなかなか難しいのかもしれません。
製作委員会が等しく前渡金を捻出しているという前提ですが。
よくはわからんけど。
わかりやすく説明すると、定期預金が100万円あるけど、そのお金は使えなくて、現金が無くなって生活費を捻出できないイメージです。
生活費として毎月10万円の現金が必要になるので、生きていくために110万円必要になります。


仕事を請ける側にとっては先にお金があるのでうれしい気もしますが、仕事をする前に請負金額が決まってたりしてそれがリスクになってたりしてないかちょっと不安です。