「801ちゃん」は「腐女子アニメ」ではありません

801ちゃんを「腐女子アニメ」と書いたことで、多くの人が不幸になっているみたいで誠に申し訳ない。
腐女子アニメ」がなんたるかはあまり興味がなかったのですが、なぜこれほどまで定義にこだわるのかには興味が湧いたのでちゃんと調べて考察してみましたよ。


そもそも「腐女子」の定義だったんですね。
ボーイズラブやおいが好きな女子のことを「腐女子」というのであって、その範囲はかなり限定的なもののようです。
たとえば、2008年4月は「腐女子アニメが多かった」という印象があったのですが、この認識は大きな間違いで、純粋に腐女子アニメと言えるのは純情ロマンチカくらいで、ヴァンパイア騎士とかアンジェリークとかモノクロームファクターとか、プリーティアタイプの逆ハーレム作品はやおいじゃないから「腐女子アニメ」ではありません。あえて言うなら「乙女アニメ」でしょうか。
モノクロームファクターはちょっぴり腐女子アニメかもしれんけど。
確かにこれは私の認識が間違ってました。今知りました。これはかなり恥ずかしい。恥ずかしいけど事実。
正直どうでもいいことだと思っていたけど、かなり本質的なことなので、どうしてもこだわらなければいけない事情がありそうです。


一方、最近はやおい属性云々に限らず、オタク趣味の女性を広義で「腐女子」とする向きもあるようで、そういう風潮についてはおそらくコメント欄で指摘いただいた方々にとってはおもしろくない状況なんだろうなと想像します。
これについては「オタク」の定義の歴史が参考になるかもしれません。
もともと「オタク」の歴史にはドロドロとした闇の時代があって、オタクがタブーであった時代がありました。そんな時代を経て、エヴァブームや電車男などの節目節目で新しいタイプのオタクが出てくるたびに定義を巡る議論がされています。オタクの定義はヘビーな方からライトな方へとコンプレックスの強さが緩やかになる方へと緩和されていった傾向が伺えます。
コンプレックスの強さによって階層化されるネガティブなヒエラルキーを想定すると、ヒエラルキーの上位に位置するコンプレックスの強いオタクが、よりコンプレックスの弱い者を排除するような行為がくり返されているようです。
「オタク」の定義が拡大すると、ヒエラルキーにおける階層の融合が起きて、序列がわからなくなります。自分の地位を守るために排除したい気持ちが働いても不思議じゃありません。
腐女子」についても、そういう時期を迎えているのかなと客観的ながら感じました。「腐女子」というキーワードが一般メディアにも露出する機会が増えているし、やおいやBLを理解しない人であれば容易に誤解されそうです。
オタクは定義しづらい言葉でしたが、腐女子やおい、BLといったぐあいに定義がわかりやすいので残り続けるかもしれません。反面、「腐女子」は語呂がよくてシャレの効いた言葉なので定義が広がる可能性もありそうです。


話が逸れた。
もろもろ調べてみたことを総合すると、確かに801ちゃんを「腐女子アニメ」としたくない事情も理解できました。自分なりに置き換えると、げんしけんを「萌えアニメ」とするくらい違和感があるんでしょう。


オタクってのは、オタク趣味をもつ者として、自分の好きなことを世間体を気にしながらやっていかなければいけないわけで、そういうところでは協力してうまくやっていけると思うのですが、ニーソックスとオーバーニーみたいなこととか、本質ではない些細なことで内輪もめするのは生産的ではないと思うのですよ。もっと大きな敵がいるのに。