かんなぎ 第1話

すっかり遅くなったけど、今期一番の期待だったかんなぎです。
すでに3回見ました。
OPですが。
作曲が神前暁さんというのは容易に予想できましたが、作詞もひとひねり加えてきました。
「辛矢凡」という文字にどこか見覚えがあるなぁと思ったのですが、googleで検索するよりも早く私の脳内で検索が完了しましたよ。
辛矢さんは山本さんも所属するスタジオ枯山水の主宰者です。まるで同窓会のノリですが、山本さんの自主制作時代を担った一人であることを考えると辛矢さんがいなければハルヒの放送1話もなかったんだろうなと思うわけで、また一人おもしろいメンバーが加わったなと期待を膨らませております。
かんなぎでは、いろんな人に脚本を書かせたということなので、ひょっとしたら辛矢さんも脚本書くのかもしれません。
んで、OPの画の方ですが、今回も踊ってました。正直なところちょっぴり意外。
普通をめざすとか、イロモノの印象を払拭したいというコメントをしていたので、今回は踊りは無しの方向で行くのかと思ってました。放送間近になると、OPがんばってるというコメントがちらほら出始めたので、なんか仕掛けている様子ではありましたが。
でも、思ったよりもおとなしめだったので、あれくらいがちょうどいいのかもしれません。
何度見ても、あのOPはCGなのか手書きなのかよくわからないです。CGのような気もするのですが、あの動きキレは人間の動きじゃないので、モーション的なものとかをキャプチャしてどうにかなるようなものじゃないと思います。
OPで残念なのは、歌ですね。
上手い下手じゃなく、ナギが歌っているように見えないのが残念。
戸松遥さんは演技の声と歌の時の声が全然違うので。
録音に菊田さんが立ち会ってくれればもう少しナギっぽくなって、よかったんじゃないかと思うのですが。
とはいえ、経過を見ていると、OPの歌録りの方が先で画はギリギリまで作っていたということを考えると、はじめから戸松さんは「ナギ」ではなく「戸松遥」で録っていた可能性が高いです。
今からでも遅くないので、ナギバージョンで録り直ししてもらえないだろうか。
それと、OPのCDが3種類って・・
アニプレックスも変わったなぁ。アニプレックスの売りは客に純粋に作品を楽しんでもらおうとするストイックさだと思っていたんだけどなぁ。最近ちょっと変わってきてるような気がします。


本編。
普通でした。いわれなければ山本さんだと気がつかないほど普通です。演出の切れ味も控えめ。何よりもいつもあれほど多用しているカメラワークがほとんどありません。トラックバックもトラックアップもパンすらもほとんど使ってません。OPでは相当複雑なカメラワークをこなしていたのに。
カメラワーク、ひとつだけありました。Bパート開始のアイリスインと終わりのところのアイリスアウト。
Bパート終わりの仁のアイリスアウトのところはいかにもな古くささを感じますが、サザエさんみたい。あれは何らかの遊び心かメッセージのようなものがあるのではないかと予想。自主制作映画を作っていたという経歴と何か関係あるのかもしれないというのは考えすぎですか。そうですか。
前評判通り、今回のテーマはナギのフトモモだったわけで、室内シーンではテーブルと同じ高さにカメラをセットして、必ずナギのフトモモが映るという妙なアングルだったわけで、これにカメラワークを入れると意図的なエロになってしまう可能性を秘めているわけです。それを排除する目的でカメラワークは控えめにしたんじゃないかと予想。山本さんはそういうチラリズムをよく理解しており、チラリストの心得をよくわかっているからなぁ。
Bパート開始すぐのところで、ナギの唇と胸をチラリとするところがあったけど、あそこのカット運びは絶妙なタイミングですよ。もう少し見たいのに、というところの焦らしがうまい。視聴者を手玉に取ってます。フルメタTSRとかでも多用してます。
アバンタイトルやナギが顕現するときの光の表現は昔の京アニ作品によく見られるものと似てます。ちょっとコントラストがきついかも。


コンテマンとしてみた場合。
山本さんはこれまでストーリー重視の作品をあまり手がけていないので、ここが一番心配でした。
1クールアニメということで、1話目にけっこうな内容を詰め込まなければいけない事情があったものと思われますが、十分自然な展開ができていたと思います。Aパートだけでもオオヌサを手に入れるところまで進んでいたし。この時点で、だいぶ進んでいるなという印象がありました。
話を進めなければいけないという中でも、緩急をつけて「間」が重要な要素をもつシーンもしっかり入れていました。ナギが顕現するシーンとか、Bパート終了間際の仁が寝付けないシーンとか。
ただ、コンテのキレは演出のキレに比べるとまだまだ物足りなさを感じました。
とはいえ、ストーリーをみせるコンテというのも予想以上の出来だったので安心しました。今後はコンテにもキレが増してくれることを期待したいです。


他のトピックとしては、ロリっ子キューティーがゆりえさま(MAKO)だったり、原画に田中宏紀さんが参加していたり。
田中宏紀さんの担当パートはロリっ子キューティーのところかなぁ。
田中さんがかんなぎに参加するというのはいろんな意味で楽しみなところがあります。自分たちの裁量で、際立った演出をする原画マン山本寛という演出家が一緒に仕事をしたらどうなるんだろうかと。
山本さんが前の会社を出たことによる影響として、もっとも注目していたところです。