「とらドラ!」のOP/EDが変わらない事情を考えてみた
発売日が延期しないかぎり、OP/EDの切り替わりよりも早くCDが発売されてしまうのは、ほぼ確定的な状況のようです。
先日コメント欄でも話題になったのですが、クールの切り替わりでOP/EDが切り替わらないのが気持ち悪いとかそういうことを問題にしているのではないのです。そこにこだわり始めたら新房監督の作品なんか見ていられません。
とらドラ!は誰が作っているのか?ということなのですが、制作はJ.C.STAFFですが、お金を出しているのは製作の方で、今回のとらドラの製作委員会に参加しているのは、別の人。
OPに「企画」でクレジットされている人がいますが、概ねこの人達が製作委員会の代表者になっています。取締役クラスのえらい人たちです。
ちなみにとらドラの場合は。
- 大月俊倫→言わずとしれたスターチャイルドの本部長
- 後藤靖彦→アスキー・メディアワークスの取締役
- 大澤信博→ジェンコの古くからのプロデューサー。たぶん今はジェンコの取締役じゃないかと。
スタチャはDVD販売と主題歌やサントラなどのCD販売。アスキーメディアワークス(以下AMW)はアニメを宣伝媒体として原作本や関連本を売ります。ジェンコはちょっと特殊。直接何かを売るわけではなく、作品の版権管理をやって、手数料を受け取ります。
今回のOP/EDの切り替わりの遅れは、とりわけスタチャにとっては異例なのです。主題歌CDをたくさん売るためには多くの人にたくさん聞いてもらうことが重要。TVCMだけじゃなく、本編で曲を流すことは製作費をすでに出していて、早く回収したいスタチャにとって、新OP/EDでの放送はかなりプライオリティが高いはずなのです。
じゃあ、なんで切り替わらないのでしょうか。
フィルムが未完成説
映像がないので、主題歌を切り替えられないのではないかという説。
J.C.STAFF側でフィルムが用意できていないのではないかと。
作画にばらつきがある以外は、作品のクオリティは下がってないから、あまり考えにくいのですが。
近年のOP/EDの制作事情を考えてみます。
OP/EDアニメはどこも力を入れてくる部分で、レベルの高いアニメーターに委託することが多いようです。EDはBONES、マッドハウスの鈴木典光さん、アームズの梅津さん、アスリードの細田さんとかが例です。OPでもJ.C.STAFFは都留さんの一派やスタジオへらくれすの人たちに作ってもらったりしてます。
今回、どこに頼んでいるのかわかりませんが、何らかの事情で、委託先が機能しなかったとか。放送に耐えうるものが完成していないとか。
そういうときの裏技として、1期OPのフィルムをほとんど変えずに曲だけ変えることもあるみたいです。
1期OPが間に合わない時とかは、本編映像を無理やり編集して使ったりするし、曲だけ流したいのだったら編集次第でなんとでもなりそうな感じもします。
ちょっと根拠薄いかも。
演出上の理由
できあがったOP映像に先の展開に関するものが入っていたので、放送できないとか。
その部分だけ編集すればいいし、最近は関係なく放送しちゃうこともあるみたいなので、これも薄いかなぁ。
あるいは、歌詞にネタバレが隠されているとか?
販売戦略上の理由
最初と書いてることが違いますが、販売戦略上の理由でわざと主題歌を切り替えていないのではないかという説も考えてみました。
CDの発売日はたいてい月末の水曜日頃。主題歌CDの場合は、主題歌が放送されはじめた月の月末にすぐ発売しています。
消費者は、初めて主題歌を聴いて3週間後くらいに購入することになります。
そう、3週間あるんですよね。3週間は意外に長いです飽きてくる可能性もあるわけで。
主題歌CDを先に販売した場合は、主題歌を流すときにはすでに販売中なので聴いてすぐに買うことができます。あわよくば飽きる前に買わせることができます。
ひょっとしたら、発売後にじわじわ売上が伸びてくるのかもしれませんね。
とはいえ、リスクがないわけでもないわけで。
すでに売っているということは、ネットで不正な流通もはじまっている可能性もあるわけで、すぐに欲しい人はそれで済ませてしまう可能性も否定できません。
どっちがいいのかわかりませんが、今回は試験的にOPの放送を遅らせて、どれだけ売れるのか見定めようとしているのかも。それ次第で、今後の売り方が変えてくるのかもしれません。