「涼宮ハルヒの憂鬱」と「山本寛」氏

いろいろ世間を騒がせた涼宮ハルヒの憂鬱も最終回を迎え、ようやく静かな日曜日の夜を過ごせそうです。
手前味噌な感じで鼻持ちならない表現になってしまいますが、そもそも私にとって「涼宮ハルヒの憂鬱」は、3月26日のニッキにも書いたとおり、山本寛さんがシリーズ演出というよくわからない肩書きをつけて携わる作品という程度の認識でした。
メインは山本さんの演出。
個人的には、まさかここまでブレイクするとは思いもしませんでした。
U局アニメとなれば視聴者も限られて来るし、コアな作画マニアによって地味に盛り上がる程度と思っていたし、その中で自分は山本さんの演出回を重点的に観察していくつもりでした。
結果的には1話の度肝を抜かれる展開やバンド演奏、EDのフルアニメーションなどによって「山本寛」の名前は全国に広まることになりました。


個人的には、シリーズを通して見た場合、やっぱり山本さんご本人による演出回が少なかったことが残念です。
AIRTSRでは1クールに3回くらい演出を担当された回がありましたが、ハルヒでは放送第1話と12話の2本だけ。
どちらも脚本段階から奇をてらったものでしたが、AIRTSRみたいに日常的だったり特別でないストーリーの中での芸の細かさ、テンポのよさ、間の取り方というところをもう少し見てみたかったです。
それは次回作に期待したいです。


山本さんもスタジオ枯山水の御記帳でおっしゃっていましたが、ハルヒはあくまでも通過点と考えていらっしゃるようです。
枯山水で最近復活した「妄想ノオト」に山本さんはすごいこと書かれています。
人狼」を見た感想が「あー、こんな映画位早く凌駕せんとなぁ」だそうです。
器がちがいます。
作品を見る目も自分なんかよりもずっと上の視点から見ているんだろうな。
こんなくだらないニッキを書いているのが恥ずかしくなってきます。


山本さんの恐ろしいところは、これでいてまだ「演出家」に留まっていることだと思います。
「監督」の肩書きが付くのは時間の問題だと思いますが、そのときどんなフィルムを見せてくれるのか楽しみでなりません。