ジャパニメーションの生産力(制作会社別)

ジャパニメーションという言葉はあまり好きじゃないのですが・・(ダサイよね・・)

まずはこちらの表を。

順位 制作会社 クール数 話数換算×12 CUT数(300C/話) セル数(3500枚/話)
1 トムス・エンタテインメント 25 300 90000 1050000
2 サンライズ 20 240 72000 840000
3 マッドハウス 19 228 68400 798000
4 東映アニメーション 18 216 64800 756000
5 GONZO 13 156 46800 546000
6 シンエイ動画 12 144 43200 504000
7 スタジオディーン 11 132 39600 462000
7 ぴえろ 11 132 39600 462000
9 J.C.STAFF 10 120 36000 420000
10 OLM 9 108 32400 378000
10 日本アニメーション 9 108 32400 378000
12 ぎゃろっぷ 8 96 28800 336000
13 Synergy SP 7 84 25200 294000
13 XEBEC 7 84 25200 294000
15 アートランド 6 72 21600 252000
15 サテライト 6 72 21600 252000
15 スタジオ雲雀 6 72 21600 252000
18 Production I.G 5 60 18000 210000
19 ARMS 4 48 14400 168000
19 BONES 4 48 14400 168000
19 SHAFT 4 48 14400 168000
19 エイケン 4 48 14400 168000
19 ビィートレイン 4 48 14400 168000
19 ブレインズベース 4 48 14400 168000
19 京都アニメーション 4 48 14400 168000
26 A-1 Pictures 3 36 10800 126000
26 AIC 3 36 10800 126000
26 AICスピリッツ 3 36 10800 126000
26 feel. 3 36 10800 126000
26 G&G 3 36 10800 126000
26 スタジオコメット 3 36 10800 126000
26 ビースタック 3 36 10800 126000
26 東京キッズ 3 36 10800 126000
34 AIC A.S.T.A 2 24 7200 84000
34 GAINAX 2 24 7200 84000
34 TNK 2 24 7200 84000
34 ZEXCS 2 24 7200 84000
34 アクタス 2 24 7200 84000
34 スタジオバルセロナ 2 24 7200 84000
34 セブン・アークス 2 24 7200 84000
34 トランスアーツ 2 24 7200 84000
34 ハルフィルムメーカー 2 24 7200 84000
34 ピクチャーマジック 2 24 7200 84000
44 FRONTLINE 1 12 3600 42000
44 REMIC 1 12 3600 42000
44 ufotable 1 12 3600 42000
44 アスリード 1 12 3600 42000
44 グループ・タック 1 12 3600 42000
44 スタジオファンタジア 1 12 3600 42000
44 スタジオフラッグ 1 12 3600 42000
44 ノーマッド 1 12 3600 42000
44 ビートフロッグ 1 12 3600 42000
44 プラネット 1 12 3600 42000
44 ムークアニメーション 1 12 3600 42000
44 ゆめ太カンパニー 1 12 3600 42000
44 亜細亜堂 1 12 3600 42000
44 旭プロダクション 1 12 3600 42000
44 葦プロダクション 1 12 3600 42000
44 銀河屋 1 12 3600 42000
44 動画工房 1 12 3600 42000
44 童夢 1 12 3600 42000
44 白組 1 12 3600 42000
- 合計 293 3516 1054800 12306000


2007年に地上波および衛星波で放送されたアニメ(167タイトル)についてアニメの制作会社を調べたものです。
もともとは製作委員会と最頻出スポンサーを調べていたのですが、調べているうちに目的が変わっていました。
4月はマッドハウス、7月はJ.C.STAFFが多いな。10月はハルフィルムかなと漠然と思っていて、ちょっと裏付けをとってみたといった感じです。
昨日の夕方くらいから時間を忘れてAccessを使ってコツコツ入力してましたよ。


調査のルールは次の通りです。

  • 2007年に放送された国内制作アニメが対象
  • OVA先行放送や劇場アニメは入れない
  • 再放送は入れない
  • 制作と制作協力がある場合、基本的に制作をカウント
  • GONZO×AICみたいなのは両方にカウント
  • XEBECXEBEC M2はまとめてXEBEC
  • GONZOとGONZINOとGONZO ROSSOはまとめてGONZO
  • AICAIC A.S.T.AとAICスピリッツは別々
  • 東京ムービーはトムスに
  • 15分番組は2クール分で1クール。1クール分は切り捨て
  • 現在放送中のものについては、現在のクールを最後まで放送すると仮定
  • 放送話数に限らずだいたい11話〜14話くらいで1クールとする
  • 箱アニメ(番組内アニメ)は原則カウントしない
  • SHUFFLE! memoriesは再放送みたいなものだったけど1クールでカウント

調査の結果、1年で制作されたアニメは約300クール分。1クール平均12話として約3600話。
30分アニメなので108,000分です。
全部見ようとしたら毎日300分(5時間)ずつ見ないと消化できません。凄まじい量です。
アニメは1日1時間という名人との約束は果たせそうにありません。
日本はテレビのシリーズアニメだけでこれだけの生産能力があることになります。
制作現場で見ると、マッドハウスによると1話分の平均が300カット、動画3500枚らしいので3600話分を単純計算すると1,080,000カットで12,600,000枚の動画が年間で作られています。
365日で換算して約3000カット/日、約35000枚/日です。
調子にのって1日24時間1440分で換算して約2カット/分、約24枚/分です。
JAniCAによると4500人のアニメーターがいるとのことですが、役割とか考えずに、間違っていることを承知の上で単純に4500人で割っても一人あたり20カット/月で、230枚/月という計算です。
原画→動画→仕上げという役割ごとに分業していることを考えると現実はもっと厳しい数字なんじゃないでしょうか。


制作会社ごとにクール数を調べたのでそのスタジオがどれくらいのの生産能力があるのかを参考にできると思います。
多いものでは20クール超。1年間つねに週5本のアニメを作っていたことになります。


調べる過程で気づいたのですが、制作会社の特徴として大きく2つあったようです。
4クール以上の長寿番組を多くとるところと、1,2クールの短いアニメを多く作るところ。
前者は東映アニメーションシンエイ動画トムス・エンタテインメントぴえろなど。
後者はJ.C.STAFFマッドハウスGONZOスタジオディーンなど。


1年間でプライムとしてもっとも多くのアニメを作っていたのはトムス・エンタテインメントでした。東京ムービーと分けるともう少し変わります。
長寿番組を多く抱えているスタジオがトップに並ぶかと思ったのですが、意外にも両方バランスよく配置されていました。
サンライズは長寿と短期間アニメの両方を同じくらいやっているようです。
AICは3つに分けてしまいましたが、1つにまとめると8クールで10位くらいになります。


BONESSHAFT京アニ、ビィートレイン、ブレインズベースなど4クール/年、つまり1年間で平均週1本作っている制作会社あたりに個人的に注目しているスタジオが集まっているようです。
このあたりは増えず減らさずでこれくらいを維持していってもらいたいところです。
2クール以下のスタジオは下請けでの実績が多いところもあるようです。


今日は長くなったのでこれくらいにしますが、しばらくこのデータを話のネタにしてみたいと思います。
以下に免責事項・注意事項と謝辞を入れておきます。

免責事項・注意事項

  • 漏れや誤りがあるかもしれませんが、傾向を探る意味ではおおむね有効に使えると思います
  • 信憑性については保証難しいです
  • それでもよければ引用はご自由に
  • OVAや劇場アニメを得意としている制作会社もあるので、その点も考慮しないといけません
  • アニメは準備に2年くらいかかるものもあるらしいので数年分調べた方が傾向がつかめると思います
  • 数字にはグロス請けや下請けなどが加味されていません。プライムとして制作を回すポテンシャルを判断する基準にはなるかと思います
  • データをどう解釈するかは見る人が判断してください

謝辞

今回の調査でもChaki-ELさんの「TVアニメ情報」を参考にさせてもらいました。
数年前に偶然見つけたサイトなのですが、新番組の季節になると予習でいつもお世話になってます。
アニメ情報をまとめている似たようなサイトもあるみたいですが、数年来慣れ親しんだインタフェースだし、過去の情報も検索できるのでとても重宝してます。
自分にとって、オタクを続けていく上で無くなったら困るものとして(今は亡き)ヤマギワソフト館と同じくらいの価値を感じています。これからもお世話になりますががんばってください。