図書館戦争 8話のコンテが山本寛さんでした

どういう経緯があったのか、図書館戦争のコンテを切ってました。
アニプレックス/ソニーミュージックつながりかとも思ったのですが、xxxHOLiC水島努監督のI.Gのツテと考えた方が自然かもしれません。
今回はコンテを担当されていたわけですが、正直なところ普通かなぁ。
コンテでも特徴が現れるカメラワークについては今回はあまり特徴が見られませんでした。意図的に外してきたのかそれとも後工程で切られてしまったのか。
原画や演出は普通によかったので、ペルソナのときよりは全体で見映えがよかったです。
コンテとして見た場合、ペルソナのときの方が特徴が出ていておもしろかったけど、図書館戦争という作品の雰囲気を壊すことなく、空気を読んだコンテだったと思います。普通のコンテです。
山本さんらしくない普通のコンテです。


気分的には「すげーよかった」と手放しで賞賛したいところなのですが・・本心じゃないしなぁ。
山本さんはコンテは普通なんですよ。特徴的なコンテなんだろうけど、演出的な要素が多いコンテなんだと思います。
コンテの実物見たことないからよくわからんけど。(ハレ晴レコンテは見た)


これまでいろんなアニメを見てきて、なんとなく思うようになったのですが、演出に必要なものとコンテ切るのに必要なものは違うんじゃないかと。
演出に必要なものはセンスで、コンテに必要なのは経験値だと思うのですよ。
コンテが巧い人といえば、ほとんどがベテランのアニメーターなんですね。
アニメ萌え族(仮)的な分野(要するに「萌えアニメ」)で活躍されている人では福田道生さん、こでらかつゆきさん、藤原良二さん、須永司さんとか。監督では紅優さんは巧いです。
監督クラスのアニメーターでもコンテで苦労している様子がしばしばうかがえます。


山本さんはずば抜けたセンスがあるので演出は突出してますが、経験値はまだこれからなので普通のコンテに落ち着いてしまう。
・・じゃないかと思うんだけどなぁ。
ちゃんとした知識のある人の意見も聞いてみたいところです。


ところで、コンテは「切る」といわれますが、それぞれのコンテの特徴から演出家(コンテマン)を刃物にたとえた場合。
先日も書いたけど、わかりやすく大胆にストーリーを展開させる須永さんは重さでたたき割るような切れ味で斧や鉈の印象。
福田道生さんはこんがらがった展開を整然とまとめ上げる技量はまさに快刀乱麻。業物の日本刀です。
こでらさんや藤原さんもそれに近いものがあります。
山本さんは今のところはハサミです。
決して悪い意味ではないですよ。ハサミは大きなものを切るのには適していないけど、小回りが効いて、ディテールの加工に適しています。
あるいは十徳ナイフかな。栓抜きとか缶切りとかあらゆるものを使ってみたって感じ。
一度、演出のことを考えずにコンテを切ってみたらどうだろう。・・難しいだろうな。
今後はちゃんと監督をやることになるだろうから、もっと大きなものを切る必要性が出てくるので、違うものになっていくんでしょうね。