ケメコデラックス

にぎやかし系の作品でした。フォーマット的にはドクロちゃんで、さらにキャラが増えたことでにぎやかになった印象です。一緒に仕事してきた声優さんに役をあげる意味でも、キャラは多いに越したことはないです。
その反面、あまりドクロちゃんから進化していないなぁと思うところもあったりするわけですが、逆に水島努監督と時事放談プロデューサーのお約束アニメが見たいというニーズには十分に応えられる作品なんじゃないでしょうか。
そんな感じで2話を見ていたら、脚本・コンテ・演出が山本寛さん。
自分が監督やっている作品よりも力が入っています。もともとOP監督ってことでしたが、90秒のOPを1本作るよりもグロスを1本請ける方がリソースの目処が立ったということなんでしょうか。それだけOP作るのは大変ってことなんでしょうね。
本編はノーチェックだったので、当然気がつくわけもなく、クレジットで確認したあとに思い起こしてみて印象に残っていたのは脚本のインパクトです。
Bパート後に二階で兄妹喧嘩している下で仕事する二人の妙なシーン。1分半も尺を使った山本さんの得意な間をうまく使ったシーンでもありますが、最後のセリフの「オープニングの件だけどさぁ・・」ってところは自虐とも毒舌とも取れる言い回し。そして、終わりのところの「兄妹ゲンカかっこわるい」のところの角○の事例も毒舌。原作はどう書いてあるのかしらんけど、山本さんが脚本をやると、ドクロちゃんの時とかでもかなりギリギリなことも書いていたからなぁ。ときどきつまんないけど。


いちおう、もう一回見直してみました。
1分半も使った長尺シーンがありましたが、これはコンテとあわせてやらないと作れないシーンです。コンテよりも演出が際立つ山本さんですが、コンテと演出を一緒にやると演出だけ担当するよりもおもしろいフィルムになります。これに脚本も付くとさらにおもしろいけど、毒気が強すぎるので、見る人を選ぶようになります。
演出ですが、タマ子の動きのキレがよかったです。料理をしている後ろ姿はエロいな。フライパンを振り回す動きのキレもよい。
やっぱり山本さんは、監督よりも各話でコンテや演出をやっているほうが性に合ってるよな。
と、かんなぎが終わったあとの評価がそうならないようにも、監督業の方もしっかりお願いします。