アニメ業界のクリエイティビティの低下が気になる

最近、コンテンツビジネス関連の人と一緒に仕事をしているのですが、クリエイティブなものの考え方というものを目の当たりにして、とても刺激的な日々を過ごしております。ちなみにコンテンツビジネスといってもアニメではないです。今のところ箸にも棒にもアニメにはかかってません。
手っ取り早く「コンテンツ」=「アニメ」に置き換えてしまいますが、最終的にどのようなアニメを作るのかというところに行き着くにはいくつかのアプローチの方法があるようです。
ひとつの例ですが。

  • ターゲット(対象者)を決める
  • ターゲットの属性を分析
  • 属性を絞り込んでテーマを決める
  • テーマをもとに設定を進める

もう少し砕けた言い方をすると。

  • 誰に見て欲しいか
  • 見た人にどんな気持ち(感動)にさせたいのか
  • それを実現するためにどういう手法を使うのか

ということだそうです。
ストライクウィッチーズがイマイチだと思うのは、このへんの絞り込みが甘いからなのですよ。ケモノ耳なのかローレグなのか魔法少女なのか戦闘機なのか、なんでもかんでも突っ込みすぎ。
GONZO(GDH)のプレスリリースでは「大人気」らしいんですけど、何をもって「大人気」という判断したのでしょうか。ビデオの販売はこれからなのに。


話が逸れた。
アニメを作っている人たちもいつもこんな感じでどういう作品にしようかというのを検討しているのでしょうか。
・・残念ながら答えは否です。アニメについてはたぶん否です。


というのも、最近のアニメは企画からスクラッチした作品はほぼ絶滅状態。ほとんどのアニメはラノベ、コミック、ゲームの原作ものというのが実情。
試しに2008年10月アニメを見てみても、原作がないアニメは4本です。

10月アニメは40本と言われているので、1割程度しかありません。
しかも、この4本のうち3本はシリーズ作品・続編・リメイクなわけで、完全なスクラッチミチコとハッチンだけです。
アニメの製作は金がかかるので、リスクの少ない方法を取っていった結果なのでしょうが、アニメ業界のクリエイティビティが低下しているような気がします。
たとえば、スタジオオルフェの黒田さんや倉田さんといえばオリジナル作品のシナリオをスクラッチする脚本家集団だったわけですよ。
黒田さんは2005年頃から原作付き作品の脚本が多くなり、倉田さんも去年くらいからはほとんど原作付き作品です。
この二人は自分たちで世界観を作り上げた方がパフォーマンスを発揮するんです。倉田さんは遅筆が玉に瑕ですが・・
業界がそういう方向に向いていないんじゃどうしようもない。
もちろん、原作付きアニメも必要。需要があればどんどんやってもらいたい。だけど、今一度オリジナルのアニメも見直していただきたい。そうしないと脚本家が育ちません。
ここ1年くらいでだいぶ淘汰されてきましたが、それでもまだ現在のアニメの脚本はひどいものです。テイルズオブジアビスみたいなのが出てくるのです。