らき☆すた監督交代に関する諸説を検証

どうやら3月11日のニッキがどこかに晒されているっぽいなぁ。


万が一、うちのニッキの批判記事なんか見た日には鬱になって書く気が無くなるので、某巨大掲示板は見ないようにしているのですが、この騒動ではてな内部にもあちこちにリンクが張られていたのでうっかり見てしまい、屁を吸い込んでしまった気分ですよ。(この慣用句は使えるなぁ)


もっともらしいものから荒唐無稽なものまで、さまざまな説があったので、おもしろおかしく検証してみたいと思います。

スポンサーからの圧力説

パロディネタで圧力があった説。これはないでしょう。
スポンサーって製作委員会だろうからランティスや角川やクロックワークスの人たちのことかと思います。
この人たちがうれしいのはCDやDVDやレンタルでいっぱい儲かること。
直近はCDだけど、OPについては概ね好評だし、CD発売前に監督を替えるリスクをとるでしょうか。

妄想ノオトで干された説

枯山水で書いていた妄想ノオトが過激すぎて、エライ人にお叱りを受けたという説。
これはいかにももっともらしいけど。
引責というのであれば、会社も同様に処分されてしかるべき。管理能力という意味で。
情報漏洩とか不祥事とか世の中では、たいていそういう処分は管理職も一緒に処分されます。
仮に引責だとすれば、山本さんをスケープゴートに仕立てあげ、事態の沈静化を図ったということになりますが、はたしてあの会社はそういう判断をするでしょうか。大仰な旗印はないだろうけど、そのへんのコンプライアンスは会社に根付いていると思います。
処分内容も「監督」を降ろすというのも疑問。
世間はWeb2.0な時代だし、干した側もいずれ噂に上るだろうから、そこまでリスクを負うかも疑問。
「干された」というのはドラマの見過ぎでしょう。


それに、いくらエライ人が言ったとしても、製作委員会よりも発言力があるとは思えません。
製作委員会はもっとビジネスライクな判断をすると思います。

ネタ説

大々的に仕掛けたネタであるという説。id:shinaminaさんがコメント欄に書いてくれた説です。
もし、この説だったら、比較的平和的に解決するので、こうであって欲しいというのもあるのですが、この説はいささか無理があるように思えます。


ネタであるならばアニメで完結させるべきですよ。放送の30分で仕掛けるべきです。
OP前やED後などにテロップを流すとか。
別メディアを使うのは反則。アニメで勝負しないと。
Web見られない人は楽しめないし、DVDが出る頃にはネタが枯れてるので、DVDが初見の人には楽しめません。
Webを使うのであれば、まずは「らき☆すた」の公式を使うべきで、京アニの公式を使うのは反則くさいです。
京アニの「おしらせ」欄はいつも事務的な連絡に使っているので今回も事務的な連絡としてとらえたほうがしっくりきます。


クロスメディアによる新たな試みであるともとれなくもないけど、もしこれが正解だったら、ちょっと悪ふざけがすぎます。

スタッフとの不仲説

これもないなぁ。
不仲とはいかずとも、山本さんが若すぎるというのはあるかもしれません。
1974年生まれってことは32歳ですか?入社して10年弱。初期はデジタル室にいたから、演出家としてはキャリアはアニDoが発足してからになるから6年くらい?
普通だったら監督というポジションには早すぎ。類い希なセンスがあってこその大抜擢です。
スタッフにナメられるとまでは行かずとも、スタッフを使いづらいというのはあったかも知れません。
ハルヒは監督というの後ろ盾があったけど。

制作現場が火の車説

マスメディア研究所さんで拝見しました。(リンクありがとうございます)
これはどうなんでしょう。もっとものような気がしますが・・
背景画にムラがあるのは気になっていました。教室シーンで後ろのモブが白ヌキだったりらくがきだったり色が付いていたり。
京アニが美術スタッフを急募していたのも状況証拠になりえますね。
動画を発注していたのは特に驚かないです。
AIRkanonでもAni VillageやStudio Blueに出していましたから。


らき☆すた」は京アニではkanonから続けて、はじめてインターバルなしで取り組んだ作品というちょっと特殊な事情も抱えているので、そのへんの難しさはわかります。
いかん、この説は否定しようと思っていたけど、いかにもな気がしてきたなぁ。
でも、制作現場の状態と監督交代は直接関係するのかなぁ。
経験がない山本さんには荷が重いので武本さんに交代したというのであれば、告知文ももっと言葉を選ぶと思うけど・・

総括

告知文がちょっと過激なんですよね。
私みたいな山本ファン(パトロン?)にとっては過激すぎ。山本さんを否定されたことで、応援していたこっちまで否定されたような気分になります。
でも、告知文としては普通ですよ。自社のスタッフについて言及するんだから言葉を選ぶ必要はありません。
外様の監督であれば言葉を選ぶ必要があるかもしれませんが。


理解できないのは4話で交代という顛末。
京都アニメーションという会社は、制作スタッフのほとんどはみんな社員なんですよ。
スタッフは使い捨て(言葉が悪いけど)にせずに、しっかり育てていくという方針。
監督もそうやって育てるのかと思ってました。
途中交代させるにしても1クールくらいやらせてみてもよかったのでは?たった4話では挽回もできません。
ビジネスのことを考えるとそんな呑気なことも言っていられないのでしょうけど。
京アニに監督を育てられる人材がいないというのもむずかしいところです。
監督は育てるんじゃなく、なるものなのかもしれませんね。
もうひとつ理解できないのは製作委員会の判断。
監督交代クラスの判断は製作委員会の合議があると思うのですが。
監督交代となれば風評が悪くなるのでCDやDVDの売上にも影響するだろうし、特にOPの発売日が迫っているCDではそういう危険なニュースは避けたいと判断するのではないだろうか。
京アニが製作委員会に諮らずに判断したという考えもあると思いますけど。
ニュースの展開が早すぎたのも不可解。私が知ったのは2時過ぎでしたが、そのときはすでに主要なニュースサイトに書かれていたようです。
リークがあったとか?30日の曜日が変わってからコンテンツがアップされたのも謎です。放送にあわせたのでしょうけど、そもそも京アニサイトは日曜日には基本的に更新しません。


実は、監督交代というのはけっこうこれまでもありました。
ざっと思いついたところでは、「あたしンち」では大地監督が5話で降りてましたし、小麦ちゃんマジカルてでは2話までは武本さんが監督やってましたが、3話からは降りてます。(これはスケジュールの問題ですが)
アニマックスで放送されていた「どっとKONIちゃん」でもナベシン監督からムトウユージさんへと不可解な交代劇がありました。(ゆかりん南央美さんが出ていてそこそこ楽しめた)
ナベシンは犬アフロ役で出ていたけど、ナベシン監督最後の回はちゃんと犬アフロ役でこれが最後であるという説明をしていました。アニメパート(放送)を使って釈明するあたりはなかなか印象的です。(ナベシンだからできたことかもしれませんけど)


結局のところクワトロの言葉を借りて「腐ってやがる、早すぎたんだ」ってところでしょうか。
4月放送というのも早すぎたし(1クール空けると思ってた)、年齢もキャリアも早すぎた(実力はあると思うけど)。
あと、2,3作品経験してからでも遅くないでしょう。若いんだし。


もともとは京アニは早すぎるのは認識していたのではないでしょうか。
ハルヒの大ブレイク(特にハレ晴レとライブアライブ)で味を占めた製作サイドが「あいつは何者だ?あいつを監督にしろ!」という困った勅令が下って、早すぎだけど監督にしたてて「なぎ払え!」と言ってはみたものの、光線を4発放ったら崩れてしまったと。(妄想妄想、電波電波)